最強の武器(?)

「戦国BASARA2英雄外伝」の妄想文章です。 ゲームのネタバレがありますので(思いっきり)お気をつけください。 尚、こちらの文章はゲーム、会社等とは一切関係ございません。  戦で名を揚げようと、俺は家も畑も捨てて 奥州筆頭・伊達政宗様の軍に加わった。 「ほら、あの方が片倉小十郎様だ。 政宗様が最も信頼している、竜の右目と呼ばれるお方だぞ」  いざ出陣という時、武者震い(たぶん)している俺を気遣って、 隣に立っている男がしきりに話しかけてくる。  あれが片倉小十郎様・・・てきぱきと 皆に指示を出している姿が頼もしい。  鋭い目にあのお方の覚悟が見える。  俺も腹を括らなければ、って思う。  あの人は半端なヤツには容赦しねェ、たぶん。  小十郎様に認められるよう、しっかり働こう。  俺の手が、腰の刀をしっかりと握りしめた。  と、小十郎様の腰のモノに俺の目がいく。  まあ、あのくらいの武人になると俺とは違って さぞかし立派な刀が・・・えっ? 「おい、あれって・・・?」  俺は隣の男をつついた。 「小十郎様の腰に差しているモノが、 俺には長ねぎとごぼうに見えるんですけど・・・違うよね。  ああいう形の刀があるんだよね」  男は「しっ!」と人差し指を唇の前に立てた。 「筆頭のお出ましだ」  場の空気が、きりっと引き締まるのを感じる。  その中で全く違った意味の緊張感を放っているのが、 小十郎様の腰の長ねぎとごぼうだ。  アレ、政宗様に見つかったら腹切りもんじゃなかろうか。  そうだ、小十郎様は野菜作りの名人だとか・・・ もしかして畑から直行して来たのでは?  それで刀と野菜を間違えて・・・ああ小十郎様痛恨のしくじり。  あっ、政宗様が見た!  えっ?何も言わないのか?  今、絶対に長ねぎの青い葉っぱを見たよね。  だが、政宗様は嬉しそうに小十郎様と二言三言 言葉を交わした後、俺達に向かって呼び掛ける。  皆も楽しそうにそれに答える。  俺には政宗様の言葉は理解できなかったが、 何だかわくわくしてきた。  皆に釣られて俺も分からないままに、 でっかい声を張り上げていた。  不安なんて吹っ飛んじまった。  勝つぜ、俺達。    戦が始まると、俺の懸念など無用のものだった ということを思い知らされた。  戦場を政宗様の六爪が舞う。  小十郎様が続く。  長ねぎとごぼうが、政宗様の背中を守る。  そして俺は、その小十郎様を必死に追いかけた。  長ねぎとごぼうが折れちまったら、俺が小十郎様を守る!  途中で長ねぎの葉っぱがヘタレたものの、 小十郎様は気にすることなく次々と技を繰り出した。  俺の方が、守られていたんだ。    その夜、小十郎様が鍋料理を振る舞ってくれた。  体があったまって、ありがたかった。  箸が長ねぎを、ごぼうをすくう。  そして何やら獣の肉が入っている。  ん?そういえば・・・。  俺は隣で鍋にがっついている男に、疑問をぶつけてみた。 「今日戦った敵将に、獣を操る女性(にょしょう)がいたが、 まさか、この肉、あの時の・・・?」  あはは、と笑う男。 「そんなわけ、ねぇだろ。 獣とはいえ、立派に戦ったヤツらにこんな仕打ちはしねェさ。 安心して、食え」 そうだよな、と俺も笑って肉を口に運んだ。 肉はともかく、この野菜はきっと・・・。 お役目ご苦労さん、勇猛な戦いっぷりだったぜ。 (終) ※あとがき 笑っちゃいました、ゲームで本当に小十郎の武器に 長ねぎとごぼうが出てきた時には。 こういう遊び心が、BASARAの魅力ですね。 おふざけな文章を読んでいただいて、ありがとうございました。 SKIP 尚、画像は「トリスの市場」様からお借りしました。 ブログの方にリンクが貼ってあります。